縁の先に、君がいた。
今回はゼクシィ縁結びエージェントで出会った女性と職場で出会った女性の三角関係を描いた恋物語を紹介します。
登場人物も物語も全てフィクションです。ゆっくりとお楽しみください。
第一章:はじまりは、プロフィール写真だった
僕は佐藤陽介(さとうようすけ)、33歳。都内の中堅広告代理店で企画営業をしている。仕事は順調、仲間にも恵まれていたけれど、プライベートは空白だった。
ふとしたきっかけで、ゼクシィ縁結びエージェントに登録したのは昨年の秋のことだった。担当カウンセラーに勧められ、何人かと会った。でも、「いい人だけど、何かが違う」という感覚ばかりが残った。
そんな中、現れたのが**藤川麻衣(ふじかわ まい)**だった。
麻衣さんのプロフィール写真は、淡いピンクのワンピースを着て、桜並木の中で微笑んでいた。話してみると、言葉選びに優しさが滲んでいて、どこか空気のような心地よさがあった。会うたびに、少しずつ距離が縮まっていくのを感じた。
「この人かもしれない」
そんな思いが芽生えた矢先だった。
第
二章:職場の彼女、想定外の再会
職場で異動があり、僕のチームに新しく加わったのが、**中村莉子(なかむら りこ)**だった。
「……え?」
彼女は大学時代のサークルの後輩。サークル飲みの帰り、終電を逃して一夜を共に過ごしたことがあったが、それっきりだった。まさか、再会するとは。
莉子はあの頃より少し落ち着いた雰囲気をまとい、仕事にも真面目に取り組んでいた。最初は気まずかったけれど、自然と昔のような距離感に戻っていった。
ある日、二人でクライアントとの打ち合わせを終えた帰り道、莉子がぽつりと言った。
「陽介さん、今…誰かいるんですか?」
答えに詰まった。その時、麻衣の顔が浮かんだ。でも、莉子の目もまっすぐで、嘘はつけなかった。
「一応、付き合ってる人がいる。…まだ、はっきりとした関係ではないけど」
莉子は少しだけ笑って、「そっか」と言った。その笑顔が、やけに寂しそうで胸が痛んだ。
第三章:二人の間で
麻衣とは、月に2回ほど会っていた。手を繋ぐようになり、気持ちも通い合ってきたと思っていた。
でも、ふとした瞬間に莉子の存在が頭をよぎる。仕事で見せる真剣な顔、ふざけ合った時の無邪気な笑い声。彼女となら、もっと自然体でいられる気がした。
ある夜、麻衣と食事をした帰り、彼女が小さな声で言った。
「ねえ、陽介さん。最近…ちょっと、よそよそしくない?」
ドキッとした。気づかれていた。僕は正直に話した。過去の知り合いと再会し、少し心が揺れていることを。
麻衣は黙って話を聞き、最後に小さくうなずいた。
「それでも、あなたのことを信じたい。ちゃんと答えを出してほしい。私も…傷つきたくないから」
最終章:選んだのは——
数日後、莉子と二人で遅くまで残業した帰り道。春の風がやさしく吹いていた。
「陽介さん、私は待たないですよ」
莉子が唐突に言った。
「私は、ちゃんと選ばれたい。キープじゃなくて、最初から“あなたがいい”って言ってもらいたい」
心に刺さった。二人の女性、どちらも真剣だった。どちらを選んでも、どちらかを傷つける。
でも、決めなきゃいけなかった。
翌週の日曜、僕は麻衣と公園で会った。
「麻衣さん……ちゃんと向き合って、考えました。僕は——」
少し言葉を詰まらせて、それでも続けた。
「やっぱり、麻衣さんといると落ち着きます。大切にしたいって思える。でも……心のどこかで、莉子のことが引っかかってしまう。それって、失礼ですよね。麻衣さんに対しても、莉子に対しても」
麻衣は、少しだけ目を潤ませて、でも笑った。
「ありがとう、正直に言ってくれて。私も……ちゃんと自分を大事にしなきゃって思った」
そして彼女は立ち上がり、手を差し出してきた。
「ここまで一緒にいてくれて、ありがとう」
僕はその手を握り、別れを告げた。
数日後、莉子に伝えた。
「莉子、今度こそちゃんと向き合いたい。君がいい」
莉子は一瞬驚いた顔をして、すぐに笑った。
「やっと言ったね。……待ってなかったけど、うれしいよ」
エピローグ:縁の先に
それから一年後。僕と莉子は、小さな部屋で同棲を始めた。
時々、麻衣のことを思い出す。でもそれは、過去にちゃんと向き合ったからこそ、優しい記憶として残っているのだと思う。
人生の「縁」は、いつどこでどう繋がるかわからない。
でも、その先に待っている「誰か」を、自分で選ぶことはできる。
そして、選んだ先にあったのは、今、隣で眠る彼女だった。
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